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復刻版

ワニゴンガマロン

誕生秘話

 

 何かの雑誌で日東の「ガマロン」のプラモの写真を見て、ガメラに似ているなと思ったのをきっかけに、同シリーズにラインナップされていた「ワニゴン」への熱が再燃してしまい、ちょっとした物語(もちろんギャグです)を作ってみました。謙遜無しで作文が下手なので相当恥ずかしいのですが、お時間があるときにでもご一読くだされば幸いです。

 

「ワニゴン誕生秘話」

 日東のガメラとバルゴンのプラモには、それぞれ「先が二股になったフォーク」のようなパーツが付属していました。ガメラとバルゴンを戦わせるときにそれを使って体の向きを変え、それぞれが勝手な方向へ歩き出さないようにする、という意味があったのだと思います。このことを思い出して、ワニゴンとガマロンの誕生の真相(?)を予想してみました。基本的には前にカキコした、ガメラとバルゴンのプロトタイプ説です。

 大手模型メーカー日東では商品最大の売りである「家庭で再現できる大怪獣決闘」というコンセプト尊重しつつ、ガメラは立って歩くが売りの亀怪獣なので立ちポーズでのモデル化が決定。バルゴンも映画のイメージ通り、四つん這いポーズに決まった。そしていよいよ試作品が完成し、日東の会議室に社の重役が召集され、お披露目と相成りる。ジーコジーコとゼンマイの音を発し、もつれ合うガメラとバルゴンのプロトタイプ。それは急ごしらえの為に、お世辞にも良い出来とは言えなかったが、外見の出来の良し悪しなどあまり問われる時代ではなかったので、誰もその点には触れなかった。そんな中で社長の日向東一郎(仮名)が「なんか、かみ合ってないんじゃないの、これ。」と一言。衝撃を受ける商品開発部の面々。それをきっかけに堰を切ったように口々に意見を言い出す重役たち。四つん這いのバルゴンは重心が低いので、ガメラの足元にまとわりつくような形になる。ガメラはそれでも前進しようとするので当然のように転倒する。相撲が国技である国民性から、どうしても先に倒れた方が負けたように見えてしまう。汗だくになりながら商品開発部の若手社員が何度も試すが、結果は同じだった。気不味い空気が会議室に流れた。しかし、第一次怪獣ブームに社運を掛けて開発に取り組んだ「ご家庭で大怪獣決闘シリーズ」をこんなことで終わらせてはならないと、日向社長自らが陣頭指揮をとることになった。

 ある日、日向社長が何気なくテレビを見ていると、アントニオ猪木とモハメッド・アリが異種格闘技戦の中継が始まった(時代考証滅茶苦茶)。仰向けになってアリを挑発する猪木。必殺のカミソリパンチを繰り出すことも出来ず攻めあぐねるアリ。その時、日向は無意識に独り言を云った。「立ち技のボクシングと寝技がメインのレスリングじゃかみ合わないわな・・・・」言い終わって日向はハッとなり、「これだー!」と叫んだ。あまりの大きな声に慌てて、キッチンでぬか漬けを刻んでいた奥さんは指を切ってしまった。日向はぬか漬けのナスが大好物だった(本筋とは関係なし)。日向はすぐさま商品開発部長のR氏の自宅へ電話を入れた。「バルゴンを立たせるんだ!」と日向。「は?」何がなんだか分からないR氏。「わからんのか?立ち技には立ち技じゃよ!」

 日東は、バルゴンを劇中でも見ることの出来ない立ちポーズでモデル化することで、「家庭でも大怪獣決闘」を実現した。商品は好調に売り上げを伸ばし、全国の玩具問屋から再注文が殺到するまでになった。そんな中で、机の上に置いてあった2体のプロトタイプを見ながら日向が独り言を始めた。「この試作バルゴンってあまり良い出来じゃないな。」この数ヶ月、毎日のように怪獣映画のスチール写真とにらめっこをして来た日向の目はだいぶ肥えていた。「どちらかというとワニに似ているな。これじゃ、バルゴンじゃなくてワニゴンだ。ははは・・・・。それにこのガメラ、私が子供の頃、裏山でほじくり返して虐めた冬眠中のガマに似ているな・・・さしずめこいつはガマゴン、いや、ゴンを付けりゃ良いってものでもないな、ガマと言えばガマの油、ガマの油と言えば万能薬・・・」日向はおもむろに薬箱を開け中の薬の名前を読んだ。「パンシロン、マキロン、ホカロン・・・ロン・・・そうだ、ガマロンだ。こいつの名前はガマロンにしよう!」名前を付けた途端に、不要となったハズの2体のプロトタイプに愛着が湧いてきた。いても立ってもいられなくなった日向はすぐに商品開発部に向かった。「この2点も我が社のオリジナルとして商品化し、怪獣シリーズのラインナップの充実化を計ろうではないか!」

 こうしてガメラとバルゴンのプロトタイプに若干の手が加えられ、新たなる命が吹き込まれたのだ。それぞれが「地底怪獣ガマロン」と「海底怪獣ワニゴン」として。時を同じくして日活が大巨獣ガッパの制作を発表をした(時代考証滅茶苦茶)。勢いに乗る日東がこのチャンスを見逃すはずもなく、当然の如く版権を入手した。また、国立科学博物館が館内で販売予定だった恐竜のプラモデルの原型を制作中に某模型メーカーが倒産。縁起が悪いとの理由で、科学博物館側は発売を中止した。その金型を日東が引き取ることになり、その恐竜は原始怪獣ゴーゴンと名付けられ、日東怪獣シリーズのラインナップに加えられることになった。

 昭和四十ン年、日東怪獣軍団はこうして全国の良い子の前に登場したのである。

 

 

「日東怪獣の生い立ち」

 地底怪獣ガマロン:悪戯な少年に冬眠中のところを地中から引きずり出されたガマの怨念が具象化した怪獣。食べるわけではないが走っている車を好んで襲う。身長70メートル。

 海底怪獣ワニゴン:もともとは伊豆のバナナワニ園で生まれたワニの奇形種。研究資料として船便でワニの本場オーストラリアに移送する途中、国籍不明の大型船と衝突してしまい、海に脱走してしまう。国籍不明のその船は核廃棄物が大量に積まれていた。放射能の影響で、海水に順応し凶暴化したワニは全長120メートルに巨大化し、帰巣本能の赴くまま日本に向かった。

 

 以上は「ゴジラon the web」さんの掲示板に投稿させていただいたものを再録したものです。(M1)